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社会交通工学科 1年 滝沢 安那 |
東武東上線とは、東京都豊島区の池袋駅から埼玉県大里郡寄居町の寄居駅までを結ぶ東武鉄道の鉄道路線のことであり、通勤・通学路線として、また日中の生活路線としても機能している。またの名を東上本線ともいう。図1.50000系営業上、東上線は東京都豊島区西池袋にある「東上業務部」が管轄しており、東武本社からの独立色が強い。 伊勢崎線や日光線を始めとした本線系統とは、直接線路がつながっていない。 この東武東上線だが、東京メトロ副都心線開業による影響で池袋の空洞化が起こると考えられているため、利用者の相当数が副都心線に移行することが考えられる。その対策として、東武東上線そのものの魅力を高めるためTJライナーを新設した。 TJライナーとは、2008年6月14日の副都心線開業に伴うダイヤ改正に合わせて新設された種別のことである。 詳細は以下の通りである。 図2.TJライナー用車両 TJライナーはホームライナー運用を行う種別であり、夕方以降の坂戸・東松山方面への速達性を高め、「座席定員制」として快適な車内環境を確保する目的で池袋発夕方以降に運転を行う。 東上本線の有料列車は特急「フライング東上」号以来約50年ぶりとなる。車両は、現行の50000型通勤車両と同じ4扉ながら、クロスシートの新造された50090系を使用する。効率性を考え、クロスシートとロングシートの両方に切り換え可能なマルチシートを装備し、TJライナーではクロスシートで運用される。関東の民鉄では初めての導入となった。朝・日中はロングシートにして一般通勤車両として使用。夕方以降の池袋発の帰宅時間にはクロスシートにして便利で快適な座席定員制「TJライナー」として運転。また、通常の急行列車より停車駅を少なくし、坂戸や東松山方面への速達性も高まると考えられる。 池袋駅の駅コンコースにはTJライナー乗車整理券の販売状況を知らせる液晶ディスプレイが設置され、座席が残っている場合は「○」、残りが僅かな場合は「△」、座席が完売した場合は「×」を表示するようになっている。 停車駅案内・駅時刻表においてのシンボルカラーは橙、50090系の行先表示においてのシンボルカラー(ロゴマーク)は青。 同じ首都圏の私鉄で、クロスシートの車両を用いる点と有料の着席整理券による座席定員制といった運行形態が共に京浜急行電鉄の京急ウィング号にかなり似ている。 ●構造 車両の外観は現在の50000系シリーズと同様で「シャイニーオレンジ」を採用して東武鉄道の車両として統一感を出し、「ロイヤルブルー」を効果的に配色することで一般車両との「識別性」や「速達性(スピード感)」を表現。 車両室内は「快適空間の提供」をコンセプトに清潔感を演出するホワイトを基調とし、シートは外観との調和を考慮して青系色を採用、「清潔感」や「リラックス」を演出。 ピッチも通常車両よりもゆったり、シートにもこだわりクッションの厚みも90mmにし、ヘッドレストも人間工学に基づいて設計された。 バリアフリー面では低床面化、ドアレールの高さを低減するなどお年寄りや車椅子での乗車にも配慮。車椅子スペースは2号車と9号車にある。また、車体はアルミ車体を採用する事で軽量化を実現し消費電力を低減。アルミ材質の統一化でリサイクル性の向上も図った。
●愛称 TJライナー(ティージェイライナー) 2007年12月22日 - 2008年1月17日の間、この新ライナーの愛称が「TJライナー」「おかえりライナー」「アシストライナー」の3つより投票形式で募集され、一番投票の多い愛称が座席定員制ライナーの愛称に採用される方式をとった。その結果、「TJライナー」が9,187通の応募の中から4,313票と最も多い票を獲得し、新ライナーの愛称に決定した。 ●区間
●停車駅 池袋・ふじみ野・川越・川越市・坂戸・東松山・森林公園・つきのわ・武蔵嵐山・小川町 ●着席料金 300円 ※「池袋」から乗車の際、普通乗車券や定期乗車券の他に、着席料金300円(整理券)が必要。尚、ふじみ野以降の乗車の場合には着席料金(整理券)が不要となるが、その場合座席は保証されない。 最後に・・・ 東武東上線の池袋駅と川越駅のリニューアルもされTJライナーが東上線の発展の象徴となりそうだ。 | ||||||
おわり |
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